公文書館専門員の方
板橋区公文書館 公文書館専門員 西 光三さん
日々の業務で使用する機会の多いデジタル機器の操作やデジタルデータの活用法を系統立てた理念のもと学ぶことができ、大変有意義なものとなりました。
そもそも私がデジタル・アーキビストの資格を取得しようと考えた理由は、日々の業務で使用する機会の多いデジタル機器の操作、およびデジタルデータの活用法を、系統立てた理念のもと学ぶことの必要性を感じていたからです。
デジタル技術は日々進化し続けています。そうした技術を学習し続けていくことも重要なことですが、技術を学ぶだけではデジタル・アーカイブの構築はできませ ん。どのような文化資源をアーカイブに加えるかを判断する視点、文化資源に応じて適切なアーカイブ化の手段を選択するための知識、デジタルデータを活用す る際に配慮しなければならない知的財産権やプライバシー権などの問題といったことについて正しく理解することが必要なのです。本資格の取得講座は、こうし た諸点についても配慮されたカリキュラム構成になっており、私自身にとって大変有意義なものとなりました。
アナログデータをデジタル化した ものだけでなく、増加し続けるボーンデジタルのデータを適切に管理しながらアーカイブを構築するケースはますます増えていくことでしょう。その過程にデジ タル・アーキビストの資格を取得した人々が多く携わることで、これら文化資源とともに、そこにこめられた意思も、遠い先の未来にまで正しく伝わっていくの ではないでしょうか。
資格を生かして就職した方
ナカシャクリエイテブ株式会社 文化情報部営業課 成瀬 育美さん
在学中に取得した資格を生かし博物館や資料館に携わる会社に入社しました。
様々なデジタル・アーカイブの提案力が身に付き業務に大きく役立っています。
私は岐阜女子大学在学中に、デジタル・アーキビストの資格を取得しました。卒業後はこの資格を生かし、博物館や資料館に携わる事の出来る仕事がしたいと今の会社に入社を決め、現在は文化情報部という部署で、文化施設や教育関連施設への営業活動を行っています。
主に博物館、歴史民俗資料館、図書館、大学などが顧客層であり、史料整理や目録作成、資料のデジタル化、展示用レプリカの製作等々、ニーズに合わせて幅広く文化的な業務を行っております。
何を文化資源と捉えて残していくかは、各々の文化施設や自治体の考え方によって大きく異なります。そういった文化資源となりうるモノの知識や情報に精通し、 文化資源の管理者や所有者の意見を汲みながら、資料に即した保存方法・デジタル化の方法を考え、それをマネジメントしていく事が、デジタル・アーキビスト に求められる強い役割だと考えます。デジタル・アーキビストの資格を取得した事により、メタデータの構成、多様なデジタル撮影の方法、デジタル化した資料 の公開・利活用の方法を提案できるようになり、現在の業務に大きく役立っています。
今後もデジタル・アーカイブにまつわる様々な情報を常に収集しながら、デジタル・アーキビストとして、文化資源を残すための一助を担い続けることが出来ればと考えております。
コンテンツ制作会社の方
株式会社情報設計 映像・Web制作 伊藤 正さん
様々なメディアでコンテンツの二次利用が当たり前になってきている。
コンテンツ制作の現場でもデジタル・アーキビストの知識やスキルが役立っています。
私は主に映像・Webなどのコンテンツを制作しており、デジタル・アーカイブを専門に扱う業務ではありませんが、少なからずデジタル・アーカイブの知識やス キルが必要であることを感じていました。コンテンツ制作に関わる方は、経験上デジタル・アーキビストの能力の一部を既に身に付けていると思いますが、それ でも一からデジタル・アーカイブについて学ぶことのメリットは大きいと思います。コンテンツ制作の現場とデジタル・アーカイブでは、そもそもの目的や視点が異なるのは当然ですが、デジタル・アーカイブではより長期的で幅広い視点が必要になります。様々なメディアが混在する昨今ではコンテンツの二次利用も当 たり前になってきていますので、コンテンツ制作の現場でもデジタル・アーキビストとしての能力が必須になりつつあるのではないでしょうか。
デジタル・アーキビストの資格取得に際しては、アナログとデジタルの違いから始まり、過去から現在~未来を見据えた視点でデジタル・アーカイブの概念やスキルについて、そして著作権や肖像権などを体系的に学ぶことができます。しかも、単に知識として身に付けるだけでなく、実務としてのスキルも考慮されている ので、普段の業務へのフィードバックも大きいと思います。ある程度のキャリアを積んだ方が仕事の幅や能力を広げるにはもちろんですが、デジタルが当たり前 の時代に育った20代などの若い世代の方にもお薦めします。