知識循環型社会におけるデジタルアーカイブの充実のために

 様々な情報がデジタル化され蓄積され続けている現在、デジタルアーカイブをベースに、膨大かつ多様な文化・科学・産業資源を収集・活用し、創造的な知的生産活動を可能にする知識循環型社会の必要性が高まっています。
当初は博物館や図書館、文書館関係者の方の文化資源を中心にデジタルアーキビストの資格を取得していただきましたが、デジタルアーカイブ化による生産性の向上、訴訟や災害時の事業継続マネジメント等の観点から自治体や企業関係者の方へ資格が浸透しつつあります。

 国レベルから個人レベルまでデジタルアーカイブは存在しますが、公開し活用するためには、対象分野の理解、デジタルアーカイブ化の技術、関連する法と倫理の理解が必要不可欠です。さらに、デジタルアーカイブは、公共財として活用・オープンデータ化が急速に進展しており、「ジャパンサーチ」等分野横断型総合ポータルとの連携が求められることもあり、権利処理、活用を促すための企画立案・調整等の技能も避けることはできません。
 その役割の重要性から、デジタルアーカイブ開発・運営・維持に関する一定の実践力を保証することが必要となり、各界の多くの方々のご協力を得て、2006年に後藤前会長のリーダーシップの下に当機構が設置され、多くの資格取得者を養成してまいりました。
 今後も当機構が歩みを継続し伸張できるように、引き続き皆様からお力添えを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

特定非営利活動法人 日本デジタルアーキビスト資格認定機構
会長 佐々木 正峰

(国立科学博物館顧問、元文化庁長官、元国立科学博物館館長)