デジタル・アーキビストの必要性

多様な分野でのデジタルアーカイブの保存と発信・利用が始まり、デジタルアーカイブ化されるものは博物館・図書館などの重要資料、企業の資料、個人・地域の資料など多様化してきました。

例えば、次のような利用方法が考えられます。

1.企業

近年になって、企業がもつ古い資料を整備する意義が見直されつつあり、社史のデジタル化など資料の電子化や共有化をする企業が増えています。
「企業アーカイブ」は、社史の電子化による創業の理念や発展途上期の困難や苦労を役員・従業員の共有化や教育のための経営管理強化のみならず、生産管理、新製品の開発のヒントや広報活動、効果的な営業・販促ツール構築の重要な素材データに発展します。また、情報を外部へ公開することで企業のブランディング強化や、説明責任・透明性の確保にもつながります。

2.地域

東日本大震災後より市民が参加するアーカイブ活動が増えています。被災時の様子や復旧、復興の課程は今後の防災や減災対策等に活用することができます。また、地域が歴史的に継承してきた文化や地域に埋もれた様々な資料をアーカイブすることは、地域の振興や活性化へとつながります。。 

3.教育

教育実践資料のデジタルアーカイブ等により、学校教育、生涯学習、教師教育等で学習環境や学習者の特性に応じた教材や学習資料の開発、提示等に役立てることができます。

4.観光・産業

デジタルアーカイブの経済的な視点での利用(新しい産業への期待)と保存・流通に役立てることができます。特に、観光情報としての利用が、世界を対象にした地域のパーソナルな情報提供としても重要となります。

5.博物館、図書館、メディア等

保存している重要資料や学習支援のためのコンテンツ等、文化活動等のデジタルアーカイブの保存と発信・流通・利用が期待されています。

6.個人(または、家庭で)

自分史、パーソナルライブラリーなど個のデジタルアーカイブの保存と利用と、地域のデジタルアーカイブへの提供が期待されています。

このような、アーカイブの対象を理解し、知的財産としての保護・管理、流通利用を行い、さらには新しい価値を創造できる人材が必要になってきました。今後、多くの分野で、文化に関する基礎を理解し、資料のデジタル化・流通技術と併せ、著作権・肖像権・プライバシー等を理解してデジタルアーカイブ化ができる能力をもつデジタル・アーキビストの需要がさらに高まると予想されます。